自分の気持ちの気づき方という前回の記事では、自分のネガティブな考えに気づく方法について書きました。今回の記事では、そうしたネガティブな考えをどのように改善していくかについて書きます。

ネガティブな考えの根拠に気づく

ネガティブな考えを治すにはまず、ネガティブな考えを持ったきっかけや、その考えの根拠を考えていきます。なぜ自分はネガティブな考えを持ったのか?という問いに対して、考えられる答えを挙げましょう。

例えばネガティブな考えが、ある友人に嫌われたかもしれない、というものだとします。その場合は、昨日その友人を食事に誘ったが断られた、といったような出来事がネガティブな考えの根拠の一つとして考えられるでしょう。


ネガティブな考えの反証を考える

大事なのは、ネガティブな考えは正しいとは限らない、ということです。
従って次は、ネガティブな考えとその根拠に対して、それが正しくないと思われる根拠を考えましょう。

先程の例でいえば、友人が食事を断ったのは、単に忙しくて予定が空いていなかっただけかもしれません。また、雑談に付き合ってくれたような機会があれば、それも嫌われているかもしれないことを否定する根拠になります。

このように自分のネガティブな考えに対して、根拠と反証の両方から検討することによって、よりバランスのとれた適切な考え方ができるようになります。

ネガティブな考えのよくあるパターン

私達が抱くネガティブな考えにはよくあるパターンがあります。自分の考えがこのようなパターンに陥っていないかを反省してみることができれば、よりよくネガティブな考えを改善することができるでしょう。

ここではよくあるネガティブな思考パターンを五つ説明します。

1、根拠のない決めつけ
特に決定的な根拠がないのに、ネガティブな判断をしてしまう傾向です。
2、白黒思考
まだはっきりしない曖昧なことでも、白黒はっきりさせるように、完全に悪いこととして捉えてしまう傾向です。
3、過大評価・過大評価
たった一度の失敗を大きく見てしまったり、成功体験を取るに足らないものと捉えたり、物事を極端に考えてしまう傾向です。
4、べき思考
~しなければならない、~するべきだ、と、自分を様々な義務や規則で縛ってしまう傾向です。
5、自己関連付け
仕事上のトラブルなどが起こったとき、全て自分のせいで起きたと捉えるような、物事を自分と関係付けて考えてしまう傾向です。

カウンセリングの場合
カウンセリングではワークシートなどの道具も使用して、相談者さんとカウンセラーの二人で一緒に、ネガティブな考えを検討していきます。

こうすることによって、相談者さんが一人では気づけなかったような出来事や考え方が見つかることもあります。最初はカウンセラーがリードして検討していくので、ネガティブな考えを改善する過程をスキルとして身につけるのもより容易になるでしょう。

一つ一つのネガティブな思考を適切に改善することができれば、結果としてうつ病が改善することになります。