カウンセリング・心理療法における約束(倫理規定)についてここにまとめておきます。

・守秘義務について
カウンセリングにおいて相談者さんから知りえた情報を外部に開示することはありません。経験談や症例という形でブログや論文で語ることもありません。

・私的な関係(多重関係)の禁止について
相談者さんとはカウンセリングと事務的な連絡以外での個人的なやりとりは控えます。これは日常的に私的な関係を持つことによって生ずる恐れのある、カウンセラーが相談者さんを性的に利用したり、高価な私物を買わせたりするといった危険を防止するための、カウンセリングにおける一般的原則です。仕事のお客さんとしてしか見ない冷ややかな態度で相談者と向き合うというわけではないので、その点はご安心ください。

・科学的知識に基づく実践(エビデンスベイスド・アプローチ)について
基本的にそれぞれの悩みに対して科学的に効果の実証された心理療法を用います。生きる意味の悩みなどを含んだ実存的問題に関しては、世界的に見ても未だ臨床的な効果研究が少ないというのが実情ですが、それでもなるべくエビデンスの優れた心理療法を優先して用い、カウンセリングを組み立てます。

・説明責任(アカウンタビリティ)について
カウンセリングで行う心理検査や心理療法、その効果や目的について、相談者さんの納得のいくように説明をする責任を負います。カウンセリングで用いる心理療法の科学的な効果研究などに関しては、論文や文献をブログで紹介していく予定です。

・事前の説明と同意(インフォームド・コンセント)について
問題に関する所見や行う心理療法については相談者さんに説明しますが、そのまま強引にカウンセリングを進めたり次の予約を取ったりすることはありません。こちらから説明したうえで相談者さんの意見も必ず聞き、カウンセリングの目標や方針、進展や終結の決定は相談者さんと共に行います。

・世界観的問題について
これは実存を扱う心理療法に特に重要な問題です。筆者は無神論者ですが、相談者さんが特定の宗教を信仰していたり、スピリチュアルな考え方を好んでいる場合でも、必ずその世界観を尊重し、否定するようなことはしません。また、特定の生き方や価値観を押しつけるようなこともしません。